トイレなどの衛生について

トイレなどの衛生について


   1、 トイレについて考える

 インドでは通常高級〜中級ホテルでしかトイレットペーパーを置いていない。プアートラベラーの泊まる安宿ではなおさらである。列車のトイレにもトイレトペーパーは置いていない。しかし街中の雑貨店やドラッグストアなどで売られているので必要に応じて買うとよい。ただインドの物価からすると上流階級の人々が使う価格帯で、高くてちょっともったいない?気もする。

 一週間ぐらいの旅なら気にすることは少ないと思うが、数週間数ヶ月にわたって旅をする場合、トイレットペーパーも手に入らなくなり、または高くて買う気にならなくなり、いよいよインド式[左手]の出番となる。

 どのトイレにも水道とカップが置いてある。用を済ませた後、右手でカップを持ち水をためて、左手をその水で流しながら左手(数本の指)でオシリをふくのである。
 きたない!と思うだろうが、もしあなたが公園で転んだ時、左手に犬のウンチがついてしまったとする。あなたならどうするだろう。ティッシュでふき取って終わりだろうか?きっと水道の水をかけて手を洗うだろう。その方がずっと衛生的である。気が済むまで洗えはよいのである。ウォシュレットの手動版である。ぬれた手やオシリは暑いインドではあっという間に乾いてしまう。

 このようにして、インドでは左手で食べ物を持たない、握手しないなどなどの左手は不浄の手であることが、実際に体感するのだ。田舎に行くと(都会の街中でも)食事を注文するとスプンが出てこないことがある。右手でカレーとライスをこね混ぜて、その右手で直接食べるのだ。だから左手と右手ではその存在する意味がまったく違っている。左手で握手を求めるなどは、礼儀知らずになるので気をつけたい。

 トイレはほとんど水洗である。もちろん田舎では川原だったりするが。とにかく近くに水がある所がほとんどだ。
 ただ、私がゴアにいた時、安宿(ホテルではなく民宿のような所)に泊まっていた時、トイレが庭の離れに建っていた。和式便器のように溝をまたいでするコンクリートでできた便器で、溝は外に傾斜していてそのまま外に口が開いており、自然に外に流れ落ちると思っていた。しかし、実際にウンチをしてみると傾斜が弱いのかウンチはそこでとどまって外に落ちていかない。どうしようのないのでそのまま外に出た。

 翌日またトイレに入ると、昨日のウンチはきれいに無くなっている。きっと宿の掃除人がきれいに洗い流してくれたのだろうと思った。そしてまた溝をまたいでしゃがみこんでいると、何かの気配がする。おや?と思っていると、またの下で「ブヒ!」と何かの声がする!あわててまたの下を覗くと、なんとブタが三匹口を開けて、私のウンチが落ちてくるのを待っているではないか!!!私は思わず飛び上がって驚いた。なんとウンチの掃除人はブタ君たちだったのだ。しばらくこんがらがった頭をさまし、ようやく事態を把握した私は、ウンチがブタのえさであるという、自然のリサイクル?に感心したりする。

 日本でも昭和の中頃までは、畑に肥料として使われていたのだし、インドでは牛の糞は乾燥させまき代わりにかまどで使われている。確かに人のウンチを食べたブタを人がまたポークステーキなどとして食べるのだから、ちょっと気になるが、日本のようにPCBだとかダイオキシンだとかの科学物質が入ったものを食べて人の体に一生留まって悪影響を及ぼすよりは、ずっと自然ではないだろうか。

 そう思って、ウンチをすることにしたが、せかされているようで何か気が気ではないし落ち着かない。しかしブタも気を使っているのか、私がし終わるまでじっと待っている。そして私が立ち上がると、ようやく体を乗り出しで後始末をし出した。ブタはブタなりに気を使っているのか、それともそのようにし付けられたのかは分からなかった。変わった体験であったが、やはりトイレは一人静かに落ち着いてしたいと思う。


     2、その他
 衛生面でいうと、手洗いとうがいはこまめにした方がよい。水道の水は消毒されているので、水道の水で病気になる事は無いが、飲まないこと。水の質が硬水なのでカルシュウムなどの色々な物が含まれといて、そのまま飲むと胃腸を壊し下痢をする。水を飲むときは必ずボイルドウオーターを頼むこと。インドではチャイならどこでも飲めるので、喉が渇いたらチャイが一番安上がりだ。


     3、女性のパワー
 その他、女性の衛生用品などは普通にドラッグストアで売られているので街であれば困らないだろう。男性の私では詳しい事は分からないが、女性同士で情報交換してうまくやっているようだった。
 どこの美容院がじょうずだったとか、カットはどこがじょうずとか、化粧品はとこのがいいとか、日本人女性同士ならまだしも、現地の女性ともうまく情報交換をすんなりとやってしまう。女性の美に対する意識は全世界共通なのかもしれない。時々女性のパワーには感心させれレてしまう事がある。
 そういえば女性の詐欺師やドロボウはインドやネパールでは、お目にかかったことが無い(もちろん、スケベ男をだますような場合は別、これは引っかかる男が悪い)。ただし油断は大敵であることだけは忘れないように。